第五話

第五話〜坂本学園高校卒業研修1〜

 松田達は、上野駅を降り、国立科学博物館へとやって来た。
松田「さぁて、ココが国立科学博物館だ。あんまり巨大生物とかの事はそんなに詳しく分からないけど、それより前に普通の生物の事知っておかないと、
    巨大生物の事なんて、チンプンカンプンだからな。多分ココに来てるのなんて、俺らぐらいだから、ゆっくり回れるよ。」
久野「ねぇ、入場料って、いくらなの?」
松田「えっと、80円だったはずだよ。」
山口「へぇ、安いんだね?」
松田「まぁ、国立だしね。んじゃ、早速入ろうか!」
片川「おい、藤達ぅ、やばいぞ、まず最初にココって…」
藤山「そうだよなぁ、最近松田さん、ココに来てないんだよなぁ。全部まわったりしないだろうな。何時間掛かるか…」
松田「おぉい、お前達、さっきから何やってるんだ?早くしないともう皆行っちゃってるぞ。」
片川&藤山「あぁ、ごめんごめん。今行くよ。」
 片川たちも国立科学博物館へと入っていった。
松田以外「うわぁ・・・・・・・」
 入った直後に、松田以外は感嘆の声を上げていた。
入り口を入ってすぐのホールには、巨大な恐竜の化石が天に向かって吼えていたのである。
その足元では、別の恐竜が子供の恐竜の面倒を見ている様子の骨格が展示されていた。
藤山「なぁ、松田さん、これスゲェな!こんなのココにあったんだ!」
松田「『あったんだ!』…って、最初ッからここにこいつらはいたよ。一度俺と一緒に来ただろうに!」
藤山「え?だってあの時はあんまり興味なかったから…」
 そう言い掛けて、藤山の言葉が止まった。藤山の背筋に、何か(何なのかは分かっているが)殺気を感じたのだ。
松田「藤山ぁ・・・・そうか、そうだったのかぁ・・・・。あの時お前はそんな風にココに来ていたのかぁ・・・・・?」
藤山「い、い、い、い、い、嫌だなぁ。じょ、じょ、じょ、冗談にきっ、きっ、決まってるじゃないか。冗談。」
山口「ねぇ、藤山君・・・・・声がラップしながら言っても、全然説得力ないよ。それに松田君も。大人気ないよ。」
松田「ん・・・・・そうか、まぁ、この館内で怒るのも館内の人に迷惑掛けちゃうからな。だが藤山、ココを出たときは覚えとけよ!」
藤山「はぁい・・・・・(うわ、こりゃ殺されるぞ・・・・・)」
小口「ね、ねぇ松田君、この吼えてる恐竜はなんていう名前なの?」
 そういって小口は、天井に向かって吼えている恐竜を指差した。
松田「あぁ、これはタルボサウルスだね。モンゴルで発見された恐竜だね。」
久野「え?ティラノサウルスじゃないんだ?って言うか私、恐竜の名前、ティラノサウルスしか知らないんだけどね…」
松田「いや、ティラノともよく似てるんだよ。いつだったか同じ種類の恐竜じゃないかって騒がれたこともあるんだ。」
久野「あ、そうなんだ…どう?私ってば凄いでしょ?」
小口「何言ってんのよ。たまたま当たっただけじゃないの」
松田「んじゃま、とりあえずココから別の所に行きますか♪奥にはまだまだ今回の資料になるものもあるし♪」
山口「うん♪」
 そう言って松田達は入ってすぐ右の恐竜などの骨格が展示されている場所へと入っていった。
藤山「な、なぁ、松田さんよ。」
松田「んな?どうした?藤達。」
片川「いやさ、まさか全部回る訳じゃあないよな?」
松田「バッカだなぁ。全部回ったら、次の場所にいけないよ。ココで後回るのは3ヶ所ぐらいだから安心しな。」
片川&藤山「ホッ・・・・よかったぁ・・・・」
 片川たちは松田に聞こえないように小声で話した。
そして松田たちは恐竜等の骨格をまた別の場所で見学していた。
久野「ねぇ、この『エウオプロケファルス』って恐竜、アンギラスに似てない?鎧を背負ってる所とか。」
小口「でもさぁ、隣の『ステゴサウルス』もアンギラスに似てない?この尻尾の所とかさぁ。」
片川「なぁ、松田さん、どうなんだい?俺と藤山も両方とも似てる気がしてよく分からないんだけど。」
松田「皆見る目があるねぇ。実はエウオプロケファルスとかのヨロイ竜とステゴサウルスとかの剣竜は実は凄い近縁らしいんだ。
    だからアンギラスは両方の性質を持ってて、この二種類のご先祖様じゃないかって言われてるんだよ。」
山口「でも、アンギラスって肉食じゃないの?この二匹はどっちも草食って書いてあるよ?」
松田「実は、その辺りは良く分かってないんだよ。俺だって、そうそう情報集められないんだからさ。まぁ、俺が今の段階で知ってるのはこの位かな?」
片川「なぁに、松田さんがいてくれるだけで良いんだよ!他の班のやつらが悔しがってたよ「『松田がいちゃあどんなにこっちが調べたってだめだ』ってな♪」
山口「そうそう♪松田君が話をしてくれるだけでこっちは勉強になるんだからさ♪」
松田「そう?んだったら、もう一個良い情報を、アンギラスは、北極圏で発見されたんだけど、ヨロイ竜も剣竜も北極にいないんだよ。だから、
   アンギーの起源は不明なんだよ。未だにね。」
藤山「松田さん、そのアンギーって何だよ?訳わかんないよ。」
松田「えぇ?分かんない?アンギラスの略なんだけどなぁ。」
藤山&片川「訳わかんねぇよ!普通!」
松田「わ、分かったよ。そんなに怖い顔して言うなよ。もうここも出て行くんだし。」
藤山「えぇ?もう出るの?」
松田「当たり前じゃないか。早く出ないと、後一個回れないぞ。そもそもそっちがメインだし。」
 藤山は、ここにずっと留まるのも、あまりいいとは思っていなかったが、ここを出るほうが恐ろしかった。松田の鉄拳が恐ろしいのだ。
松田「ん?どぉした?藤ぃ?」
藤山「い、いや、別になんでもないぜ!」
松田「なぁ、藤山」
 その妙に低い声に藤山は思わずビクッとして、答えた。
藤山「な、何だよ?」
松田「入り口でのアレ、忘れてねぇからな…」
 松田は物凄い顔で藤山を睨んだ。
藤山「ヒッ!!」
 藤山は思わずまたすくみ上がった。
松田「よぉし、んじゃぁ、出るぞぉ♪」
松田、藤山以外「はーい!」
藤山「はぁい…うぅ、あんまり行きたく無いよぉ…」
 松田達は、科学博物館を出て(出てからすぐに藤山が殴られたのは言うまでも無いが)、もう一つの見学場所、国立巨大生物研究所へとむかった。

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